今年初めてのブログとなります。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
年明け早々に二度目の緊急事態宣言が発令されました。
改めまして、昨年末に発表会を無事に行うことができましたこと、感謝いたします。
発表会という締め切りが無くなったこの時期から次の発表会の曲が決まるまでの間は、レッスンも「お楽しみ要素」を多く入れられるので、内容的にも気持ち的にもとても楽しい期間です。
聴音、ボディ・マッピング、リトミック、耳トレなど、隙間時間にそれぞれ生徒さんの状況に合わせた内容のものを行っています。
昨秋から取り入れ始めたのが、ボディ・マッピングの師匠が紹介して下さっていた「耳トレ」です。
楽器、自然界、生活音、楽曲など、様々な音源が入ったCDと冊子のセットで、
「音を聞きながら耳を鍛え、脳や身体を活性化させる!」
「眠っている感性を呼び覚まして潜在能力を底上げする!」
工学博士でいらっしゃる著者の先生は、そんなワクワクするような言葉を仰っていますが、レッスンではあまり難しく考えず、「なんの音だと思う?」とクイズみたいな感じで聞いてもらっています。
音や音楽から、過去の記憶が呼び起こされることがありますね。
風景や季節、匂い、味など。
耳トレの本来の目的とは少しズレてしまっているかもしれませんが、聴覚からの刺激が他の五感を呼び起こすミラクルに、私は興味をひかれました。
レッスンの中で印象的だったのが、「ひぐらし」の鳴き声に対する生徒さんたちの反応です。
意外にも多くの生徒さんたちが「ひぐらし」の鳴き声を知っていることにまず驚いたのですが、その理由は、私のように「おばあちゃんちで聞いた」とか「山で聞いた」からではなく、「ゲームで!」だったことに更に驚いてしまいました。
自粛期間中に流行ったゲームの中で、鳴き声を聞いたりする経験をしたそうです。
また、「はた織り機」の音も同じくで、そのゲームの中で「はた織り」をした経験をしたそうです。
もちろん「ひぐらし」の鳴き声では「キャンプを思い出した。もう3年くらい行ってないなぁ。」とか、「渓流の音」では「家族とカヤックで渓流下りをしたよ。」と、実体験の思い出を語ってくれた生徒さんたちもいました。
ちなみに私は、「はた織り」の音では「子供の頃のピアノの先生のお宅への坂道」を思い出しました。
京都の深草というところで、そこを通るといつもガシャンガシャンと西陣織を織っているお家があったのです。
はた織りの音、はた織り機がチラッと見えている2階の窓、小学生の自分の姿、坂道を登っていく足取り、レッスンバッグの重さ、ピアノの先生のふんわりした雰囲気、、、どんどん記憶がよみがえってきます。
「耳トレ」、奥深いです。
ある意味「ゲーム」も、素晴らしいと思います!
生徒さんたちが大人になって、どこかで「ひぐらし」の鳴き声や「はた織り」の音をふと耳にした時、この「緊急事態宣言下の巣ごもり」を思い出すのかも知れません。あるいは、レッスンでの耳トレを思い出してくれるのかも知れません。
いずれにせよ、そのころには少なくともコロナの問題は解消されていて、懐かしい思い出の一つになっていることを願っております。
まだまだ不安で厳しい状況に置かれていますが、私たちは前を向いて、楽しくレッスンしてまいりたいと思います!